交通事故治療について
むちうちはしっかり治さないと
後が怖いんです
むちうちとは
むち打ち・・・ 誰もが一度は聞いたことがあるこの病名。
ご自身に経験がなくても、実際に交通事故に遭った人から「病院でむち打ちと診断された」など聞いたことはありませんか?
このむち打ち、正式な傷病名ではなく、医学的には「頸椎捻挫」「頸部挫傷」「外傷性頸部症候群」などと呼ばれています。むち打ちは、交通事故のケガとしてとてもなりやすい症状で、軽く見ているとその後つらい後遺症を残しかねないとても怖いケガです。
この「むち打ち」は「衝撃により、ムチがしなるように頭が前後に揺れる」という状態からついた名前と言われますが、交通事故の衝撃が時速60キロの衝突であれば、ビルの5階から落ちた時と同じであると言われています。ビルの5階から生身で落ちた場合、助かる確率はかなり低いと思いますが、交通事故での衝撃は転んで打撲した程度では済まないということがよく分かります。
受傷直後は症状が出ないことも
受傷後、病院でレントゲンやMRIなどの画像検査を受けても、ほとんどの場合「異常なし」と診断され軽く見られがちですが、やっかいなことに受傷直後は痛みをあまり感じないことが多く、2~3日、1週間位たってから徐々に現れ、ひどい場合は知覚障害、筋力低下などを引き起こすことがあり、注意が必要です。
むち打ちの症状として特に多いのは、首から肩にかけてやその周辺の痛みです。他にも背中から腰の痛み、頭痛、めまい、はきけ、更には手足のしびれなど、多岐にわたって症状が出ます。
また、治療が遅れると回復にも時間がかかる為、早期治療が大切です。
むちうちは原因や症状別で、4つに分類されます
頚椎捻挫型
むち打ち症の中で最も多く、70%〜80%を占めると言われています。
頚椎の骨と骨の間にある関節包や骨の周囲にある靭帯などが損傷されたもので、頸部周囲の運動制限、運動痛が主な症状です。
衝撃が強い時は、筋肉や靭帯だけのダメージに留まらず、血管や神経までも傷ついてしまうことがあり、治療にも長期間かかることがあります。
主な症状
- 首の周りにある筋肉や胸・背中の筋肉の緊張。にぶい痛みや首・肩のこり
- 首を動かすと痛む(運動痛)または押されると痛む(圧痛)
- 腕や手・指がだるい、またはしびれたり力が入りにくい(上肢感覚異常、脱力感)
- 頭痛、めまい、吐き気
神経根症状型
脊髄の運動神経と知覚神経が集まっている所を「神経根」と呼びます。
事故の衝撃で頚椎が変形してしまい、神経の通り道が狭くなってしまったのが神経根症状型です。神経が常に刺激を受け続けるため、体のあちこちでの痛みや、手足のしびれなどの症状に加え、知覚障害、放散通、反射異常、筋力低下などの神経症状を伴います。
バレー・リュー症候型
頸部の損傷により自律神経障害を伴う状態をバレリュー症候群といいます。
痛みに加えて、筋肉の凝り、めまい、耳鳴りなどの多彩な症状が認められます。頸部の損傷によって自律神経が直接的もしくは間接的に刺激を受けることで発症すると考えられています。
脊椎症状型
頚椎の中の脊椎にはたくさんの神経が通っています。この脊椎がダメージを受けると、下半身や内臓などに異常が起こることがあります。
脊椎症状型では、下肢のしびれや知覚異常が起こり、歩行障害などの症状があらわれます。内臓に影響が現れた場合は、膀胱や直腸に障害が出て排尿や排便がしにくくなる場合もあります。